動悸・息切れの受診の目安|「年のせい」にする前に
「階段をのぼると、前より息が切れる」
「急に心臓がドキドキして、しばらく治まらない」
「年のせいだと思うけれど、ちょっと不安」
こんにちは。あすと長町はんだクリニックです。
動悸や息切れは、「年のせい」「運動不足」「気のせい」という3つの言葉で片づけられやすい症状の代表です。実際にそうであることも多いのですが、中には確かめておくべき原因が隠れていることがあります。
今日は、どこからが「確かめておくべき動悸・息切れ」なのか、線の引き方をお話しします。
🚑 まず確認:すぐに受診・救急要請が必要な場合
次のときは、様子を見ないでください
- 動悸とともに胸の痛み・強い圧迫感がある
- 意識が遠のいた、実際に失神した
- 安静にしていても息苦しさが続く
- 冷や汗、顔面蒼白を伴う
- 唇や顔色が紫がかっている
とくに「動悸+失神」の組み合わせは、危険な不整脈のサインのことがあります。一度でもあれば、その日のうちにご相談ください。
💓 そもそも「動悸」とは何か
動悸とは、ふだん意識しない心臓の拍動を、意識してしまう状態のことです。
大事なのは、動悸には種類があるということです。
- 速くなる——ドキドキと速く打つ
- 強くなる——ドクン、ドクンと強く打つ
- 飛ぶ・乱れる——脈が抜ける感じ、バラバラに打つ感じ
このうち、私たちがとくに注目するのは「飛ぶ・乱れる」タイプです。脈のリズムそのものが乱れている場合、不整脈の可能性を確かめる必要があるからです。
🔎 動悸・息切れの主な原因
1. 不整脈
脈が速すぎる、遅すぎる、リズムが乱れる。まったく心配のないものから、治療が必要なものまで幅があります。とくに「脈がバラバラに打つ」タイプは、放置すると脳梗塞のリスクにつながるもの(心房細動)が隠れていることがあり、一度きちんと確かめる価値があります。
2. 貧血
血液の酸素を運ぶ力が落ちると、体は心拍数を上げて補おうとします。動悸・息切れ・疲れやすさの三点セットが出ている方は、血液検査で簡単に確かめられます。とくに月経のある女性では、隠れた貧血は珍しくありません。
3. 甲状腺の病気
甲状腺ホルモンが多すぎると、安静にしていても脈が速くなります。動悸に加えて、汗をかきやすい・体重が減る・手が震えるといった症状があれば、この可能性を考えます。これも血液検査で分かります。
4. 心臓・肺の病気
「前はのぼれた階段で、息が切れるようになった」——この「前はできたのに」という変化は、心臓や肺の機能低下のサインのことがあります。夜に横になると苦しい、足がむくむ、といった症状を伴う場合は早めにご相談ください。
5. ストレス・自律神経、カフェイン
不安や緊張、睡眠不足、コーヒーやエナジードリンクの取りすぎでも動悸は起こります。実際には、このタイプがいちばん多いのですが、ここに分類してよいのは、ほかの原因を確かめたあとです。
🩺 受診の目安——4段階でまとめます
| タイミング | あてはまる状況 |
|---|---|
| いますぐ受診・救急 | 動悸+胸の痛み/失神した/安静でも息苦しい/冷や汗を伴う |
| 数日以内に受診 | 脈が飛ぶ・乱れる感じが繰り返す/「前はできたのに」息が切れる/夜横になると苦しい/足のむくみを伴う |
| 近いうちに受診 | 動悸に加えて、疲れやすい・体重減少・汗・手の震えなどがある/回数が増えてきている |
| 様子を見てよい | 緊張・寝不足・カフェインなど思い当たる原因があり、数分で治まり、繰り返さない |
迷ったら、受診してください。動悸・息切れは「大丈夫と確かめること」自体に価値のある症状です。
📝 受診の前に、できれば「脈」をメモしてください
動悸のやっかいなところは、診察のときには治まっていることが多い点です。そこで、発作が起きたときのメモが大きな手がかりになります。
動悸が起きたら、この3つだけ
- 手首の脈を15秒数えて4倍する——1分あたりの脈拍数が出ます
- リズムは規則的か、バラバラかを感じておく
- 何をしていたときか、何分続いたかをメモする
スマートウォッチをお持ちの方は、そのときの心拍記録も参考になります。「発作のときの情報」があるかないかで、診断の速さが大きく変わります。
🏥 当院での診察
お話を伺ったうえで、必要に応じて心電図や血液検査を行います。貧血や甲状腺の病気は血液検査で、脈の乱れは心電図で、それぞれ手がかりが得られます。より詳しい検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、適切な医療機関へ速やかにおつなぎします。
✅ まとめ
- 動悸+胸の痛み、動悸+失神は、様子を見てはいけない組み合わせです
- 「脈が飛ぶ・乱れる」タイプの動悸は、一度確かめておく価値があります
- 貧血や甲状腺の病気など、心臓以外の原因も血液検査で分かります
- 「前はできたのに息が切れる」という変化は、年のせいと決める前にご相談を
- 発作時は脈拍数・リズム・持続時間のメモを。診断がぐっと早くなります
動悸・息切れの症状については動悸・息切れ・呼吸が苦しいとお悩みの方へのページ、胸の痛みを伴う場合は息を吸うと胸が痛い|考えられる原因と受診の目安もあわせてご覧ください。
あすと長町はんだクリニックでは内科・総合内科でご相談を承っています。日曜日も診療しておりますので、平日のご来院が難しい方もどうぞ。