患者さんが本当は聞きたかった6つのこと
こんにちは。あすと長町はんだクリニックです。
診察が終わって、待合室を出て、自動ドアをくぐったあたりで。
「あ、あれを聞き忘れた」
そんな経験はありませんか。私たちのところにも、後日「実はあのとき聞きたかったんですけど」と切り出される方が、少なくありません。
これは、患者さんが悪いのではありません。限られた時間の中で、聞きたいことをその場で整理して言葉にするのは、そもそも難しいことだからです。
そこで今日は、診察室で本当はよく聞かれたいのに、なかなか口に出されない6つのことをまとめてみました。ひとつでも心当たりがあれば、次の受診でぜひ聞いてみてください。
💊 1.「この薬は、いつまで飲むのですか」
いちばん多いのに、いちばん聞かれない質問かもしれません。
血圧やコレステロールのお薬について、「一度飲み始めたら一生やめられない」と思い込んでいる方が本当に多くいらっしゃいます。そしてそう思っているからこそ、飲み始めること自体をためらってしまう。
実際には、薬の種類によって答えはまったく違います。数日で終わるものもあれば、当面続けたほうがよいものもあります。生活習慣の改善によって減らせたり、やめられたりする方もいらっしゃいます。
「いつまで」「どうなったら見直すのか」。ここが分かっているだけで、お薬との付き合い方はずいぶん楽になります。
🏢 2.「仕事や学校は、休んだほうがいいですか」
これも、聞きそびれたまま帰られる方の多い質問です。
「休むほどではないと言われたら気まずいかな」
「大げさだと思われないかな」
そんな遠慮が働くようですが、私たちにとっては、ごく普通の医学的な判断のひとつです。気まずさを感じていただく必要はまったくありません。
むしろ、お仕事の内容によって答えが変わることがあります。デスクワークか、人と接する仕事か、食品を扱う仕事か。同じ病気でも判断は変わってきますので、遠慮なく状況をお話しください。
👨👩👧 3.「家族にうつりますか」
ご自身のことより、ご家族のことを心配される方は多いものです。とくに小さなお子さんや、ご高齢の方と暮らしている場合はなおさらでしょう。
感染するのかどうか。するとすれば、いつまでの期間なのか。どんな対策をすればよいのか。
ここは自己判断がいちばん危ないところです。ネットの情報は玉石混交で、必要以上に不安になる方も、逆に油断してしまう方もいらっしゃいます。ご家族の年齢や持病まで含めて、具体的にお伝えできますので、ぜひ聞いてください。
💰 4.「お金は、どれくらいかかりますか」
いちばん聞きにくいと思われているのが、この質問ではないでしょうか。
けれど、はっきり申し上げます。お金の話は、遠慮せずに聞いてください。
検査や治療の選択肢が複数あるとき、費用は判断材料のひとつです。それを伏せたまま話を進めても、良い結果にはなりません。「その検査、今日じゃなくてもいいですか」も、立派なご相談です。
実際に、費用が気になって検査を先延ばしにし、そのまま来院が途切れてしまう方がいらっしゃいます。これは私たちにとって、いちばん避けたい形の中断です。気になったら、その場で聞いてください。
🔀 5.「ほかに、選択肢はありますか」
提案された方法が唯一の正解とは限りません。
医療には、「どちらでもよい」「どちらにも一長一短がある」という場面がたくさんあります。薬を使うか生活習慣で様子を見るか。すぐ検査するか少し経過を見るか。そのときの正解は、その方の生活や価値観によって変わります。
ですから、「ほかにやり方はありますか」と聞いていただくのは、まったく失礼なことではありません。むしろ、その一言があるからこそ、その方に合った選択にたどり着けることがあります。
私たちは、選ばれる側であることを歓迎しています。
🤝 6.「結局、大丈夫なのでしょうか」
最後は、いちばん素朴で、いちばん大事な質問です。
説明を聞いて、頭では理解した。それでも「で、自分は大丈夫なんだろうか」という気持ちが残ったまま帰られる方は、実はとても多いのです。
この質問は、漠然としているようでいて、まったく漠然としていません。「今すぐ心配することなのか」「様子を見ていい範囲なのか」「どうなったら受診すべきなのか」——ここが知りたいのだと、私たちは受け取ります。
専門用語の説明より、この一言への答えのほうが、その日の安心を左右することがあります。納得できるまで、遠慮なく聞き直してください。
📝 聞き忘れないための、3つの工夫
とはいえ、その場で思い出せないのが人間です。ちょっとした準備で、ずいぶん変わります。
受診前にできる3つの準備
- 紙に書いて持ってくる/スマホのメモでも構いません。3つくらいまでに絞っておくと確実に聞けます
- いちばん聞きたいことを最初に言う/「今日は◯◯が心配で来ました」と冒頭で伝えていただけると、そこを中心に組み立てられます。最後に出てくると時間が足りなくなります
- ご家族と一緒に来る/説明を聞く人が2人いると聞き漏らしがぐっと減ります。ご高齢の方やお子さんの受診ではとくに効果があります
🩺 私たちの側も、変えていきます
ここまで「聞いてください」と書いてきましたが、本来は、聞かれる前にお伝えするのが私たちの仕事です。
患者さんに「質問する勇気」を求めているうちは、まだ十分ではありません。聞きにくいことこそ、こちらから先に触れる。そういう診察を積み重ねていきたいと思っています。
それでも、伝え漏れは起こります。だからこそ、気づいたときに聞き返していただけると、本当に助かります。
✅ まとめ ── 本当は聞きたかった6つのこと
- この薬は、いつまで飲むのですか
- 仕事や学校は、休んだほうがいいですか
- 家族にうつりますか
- お金は、どれくらいかかりますか
- ほかに、選択肢はありますか
- 結局、大丈夫なのでしょうか
どれも、遠慮の要らない質問です。「こんなこと聞いてもいいのかな」と思ったものほど、たいてい聞く価値があります。
当院では内科・総合内科、小児科、生活習慣病の診療を行っています。日曜日も診療しておりますので、平日のご来院が難しい方もどうぞご利用ください。
そして、聞きたいことがあるときは、遠慮なくお声がけください。その一言が、私たちにとっていちばんありがたい情報です。