腹痛は場所で考える|みぞおち・右下・左下の痛みと受診の目安
2026.08.28
「みぞおちがキリキリ痛む」
「右下のお腹が、昨日からずっと痛い」
「痛いけれど、我慢できる程度。病院に行くほどなのか分からない」
こんにちは。あすと長町はんだクリニックです。
腹痛の診察で、私たちが最初に聞くことのひとつが「どこが痛みますか?」です。お腹の中は場所ごとに担当の臓器が違うので、痛む場所は、原因を絞り込む最大の手がかりになります。
今日はその「場所の読み方」を、受診の目安と一緒にお伝えします。
🚑 場所より先に——この腹痛は救急です
次のどれかがあれば、場所を問わず救急要請を
- 突然始まった、経験したことのない激痛
- お腹が板のように硬くなっている
- 血を吐いた、真っ黒な便が出た
- 冷や汗・顔面蒼白を伴う
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方の強い腹痛
🗺️ 場所別に見る、考えられる原因
| 痛む場所 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| みぞおち | 胃炎・胃十二指腸潰瘍・逆流性食道炎。まれに心筋梗塞や膵臓の病気のことも |
| 右上 | 胆石・胆のうの炎症(脂っこい食事のあとに痛むのが特徴)、肝臓の病気 |
| 右下 | 虫垂炎(盲腸)、便秘、女性では卵巣の病気 |
| 左下 | 便秘、大腸憩室の炎症、女性では卵巣の病気 |
| 下腹部の真ん中 | 膀胱炎(排尿時の痛みを伴う)、女性では婦人科の病気 |
| お腹全体・場所が定まらない | 胃腸炎、便秘、過敏性腸症候群 |
🔍 知っておきたい「痛みが動く」パターン
虫垂炎(盲腸)には有名な特徴があります。
最初はみぞおちやおへその周りが痛み、半日〜1日かけて右下に移動していくのです。
「昨日はみぞおちだったのに、今日は右下が痛い」——この経過は、それだけで受診の理由になります。痛む場所が変わったこと自体が、大事な情報なのです。
🩺 受診の目安
| タイミング | あてはまる状況 |
|---|---|
| いますぐ救急 | 突然の激痛/板のように硬い腹/吐血・黒い便/冷や汗 |
| 今日中に受診 | 痛みがだんだん強くなる/みぞおち→右下へ移動した/発熱を伴う/歩くと響く |
| 数日以内に受診 | 同じ場所が数日痛む/食事と関係して繰り返す/便通の変化を伴う |
| 様子を見てよい | 軽い痛みが数時間でおさまり、食欲もあり、繰り返さない |
ひとつ補足を。「痛み止めを飲んでから受診すると診断がつかなくなる」と我慢する必要はありません。使った薬と時間を教えていただければ大丈夫です。ただし、受診前に食事は控えめに——検査や、万一手術が必要になった場合に備えるためです。
📝 受診のとき、伝えていただきたいこと
- どこが・いつから痛むか(場所が移動したならその経過も)
- どんな痛みか——キリキリ・ズーン・波がある(強くなったり弱くなったり)
- 食事との関係——空腹時に痛む? 食後に痛む? 脂っこい物のあと?
- 便通——下痢・便秘・血便・黒い便の有無
- 発熱・吐き気・最後の食事の内容
✅ まとめ
- 突然の激痛・板のような硬さ・吐血や黒い便は、場所を問わず救急へ
- 腹痛は場所で原因の見当がつきます。どこが痛いかを意識してみてください
- 「みぞおち→右下へ移動する痛み」は虫垂炎の典型。この経過だけで受診の理由になります
- 脂っこい食事のあとの右上の痛みは胆石を疑います
- だんだん強くなる痛み・発熱を伴う痛みは、今日中に受診を
腹痛については腹痛の症状ページ、下痢や便秘を伴う場合は下痢・便秘でお悩みの方へもご覧ください。
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