下痢と便秘を繰り返す|過敏性腸症候群(IBS)かもしれません
「大事な会議の朝に限って、お腹を壊す」
「下痢かと思えば、次の週は便秘。ずっとこの繰り返し」
「検査をしても異常なしと言われた。でも、つらい」
こんにちは。あすと長町はんだクリニックです。
下痢と便秘を行ったり来たりする、緊張するとお腹が痛くなる、トイレの場所を先に確認しないと外出が不安——。
こうした症状が続いているなら、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。決して珍しい病気ではなく、日本人のおよそ10人に1人が当てはまるとされる、ごくありふれた状態です。
🧠 検査で異常がないのに、なぜお腹を壊すのか
過敏性腸症候群は、腸そのものに傷や炎症はないのに、腸の「動き」と「感じ方」が過敏になっている状態です。
鍵を握るのは、脳と腸のつながりです。脳と腸は自律神経などを通じて常に信号をやりとりしていて、ストレスや緊張が腸の動きを直接乱します。逆に、腸の不調が脳の不安を強めることも分かっています。
「大事な場面の朝に限ってお腹を壊す」のは、気のせいでも根性の問題でもなく、この脳と腸の回路が働きすぎているだけなのです。
⚠️ ただし——この症状があるなら、IBSと決めつけてはいけません
次のサインは、大腸の検査が必要です
- 血便が出た(黒い便も含む)
- 体重が減ってきている
- 夜中に腹痛や下痢で目が覚める(IBSの症状は睡眠中は出にくいのが普通です)
- 発熱を伴う
- 50歳を過ぎてから初めて症状が始まった
- ご家族に大腸がんの方がいる
過敏性腸症候群は「ほかの病気がないこと」を確かめてはじめてつく診断です。とくに血便と体重減少は、必ず調べる必要があります。該当する方は、早めにご相談ください。
🔎 タイプは3つあります
- 下痢型——緊張や食後に、急な腹痛と下痢。通勤・通学中がつらいタイプ
- 便秘型——コロコロした硬い便。残便感。女性に多い傾向
- 交代型——下痢と便秘を行ったり来たり
タイプによって、合うお薬が違います。「下痢止めと整腸剤を自分で買って、なんとなくしのぐ」より、タイプに合わせた治療のほうがはっきり楽になります。
🌿 生活でできること
- 朝食後にトイレの時間を確保する——腸がいちばん動く時間帯を活かします
- 脂っこい食事・アルコール・カフェインの取りすぎを見直す——腸を直接刺激します
- 睡眠を削らない——寝不足の翌日は、腸も不機嫌です
- 症状と食事のメモをつける——「何を食べた日に悪いか」が見えると、対策が立ちます
それでも改善しない場合は、我慢せず受診してください。腸の動きを整える薬、便の水分を調整する薬など、選択肢はいくつもあります。
💬 「お腹の不調くらいで受診していいのか」と思っている方へ
いいのです。
過敏性腸症候群は、命に関わる病気ではありません。しかし、通勤電車に乗れない、会議に集中できない、旅行を諦める——生活の質を確実に削る病気です。そして、治療の選択肢がある病気です。
「体質だから」と何年も付き合ってきた方こそ、一度ご相談ください。
✅ まとめ
- 下痢と便秘の繰り返し・緊張時の腹痛は過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。10人に1人のありふれた病気です
- 原因は腸の傷ではなく、脳と腸の回路の働きすぎ。気のせいではありません
- 血便・体重減少・夜間の症状・50歳以降の初発は、IBSと決めつけず大腸の検査を
- 下痢型・便秘型・交代型でお薬が違います。市販薬でしのぐより、タイプに合った治療を
- 生活の質を削っているなら、それだけで受診の理由になります
下痢・便秘については下痢・便秘でお悩みの方へ、腹痛の場所については腹痛は場所で考えるもご覧ください。
あすと長町はんだクリニックでは内科・総合内科でご相談を承っています。日曜日も診療しております。