健診の肝機能(AST・ALT・γ-GTP)で引っかかったら|最多の原因は脂肪肝
「AST・ALT・γ-GTP。毎年この3つで引っかかる」
「お酒はそんなに飲まないのに、肝機能が悪いと言われた」
「痛くもかゆくもないから、つい放っている」
こんにちは。あすと長町はんだクリニックです。健康診断シリーズ、今回は再検査でもっとも引っかかる人が多い「肝機能」の話です。
最初に、肝臓という臓器の性格をお伝えします。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれます。かなり傷んでも、症状をほとんど出しません。だからこそ、血液検査の数値だけが、肝臓の声を聞ける唯一の窓口なのです。「痛くないから大丈夫」が、いちばん通用しない臓器です。
🔤 AST・ALT・γ-GTPは、何を見ているのか
むずかしい暗号のようですが、意味はシンプルです。
- AST・ALT——肝臓の細胞の中にある酵素。肝臓の細胞が壊れると血液中に漏れ出すので、高い=細胞がダメージを受けているサインです
- γ-GTP——アルコールに敏感に反応する酵素。飲酒量を反映しやすいほか、胆汁の通り道のトラブルでも上がります
つまりこの3つは「肝臓がいま、どれだけ痛めつけられているか」のメーターです。
🍺 「お酒を飲まないのに高い」——最多の原因は脂肪肝です
肝機能で引っかかる原因として、いまいちばん多いのが脂肪肝——肝臓に脂肪が溜まった状態です。
大事なことをひとつ。脂肪肝は、お酒を飲まない人にも普通に起こります。食べすぎ・糖質の取りすぎ・運動不足・体重増加が原因の脂肪肝は、今や国民病といっていいほど増えています。
「自分は飲まないから肝臓は大丈夫」は、残念ながら成り立たないのです。
脂肪肝を「たかが脂肪」と侮れない理由
脂肪肝の一部は、放置すると炎症→線維化(肝臓が硬くなる)→肝硬変へと、静かに進行することがあります。そして線維化が進んでからでは、元に戻りにくくなります。
逆に言えば、脂肪肝の段階なら、生活の見直しで数値が目に見えて改善することが多い。ここが分かれ道です。
🔎 脂肪肝以外の原因も、一度は確かめます
- アルコール——γ-GTPが突出して高い場合、まず飲酒量を見直します
- 薬やサプリメント——常用薬・市販薬・サプリでも肝機能は上がります。お薬手帳とサプリの名前を教えてください
- ウイルス性肝炎(B型・C型)——血液検査で分かります。一度も調べたことのない方は、この機会に確認する価値があります
- そのほか、胆石や甲状腺の病気などが隠れていることもあります
再検査では、こうした原因の切り分けを採血で行い、必要に応じて画像検査や専門医療機関への紹介につなげます。
🌿 脂肪肝だった場合——効く順に3つだけ
- ① 体重を減らす——現在の体重の5%前後の減量で、肝機能の数値が改善することが分かっています。70kgなら3〜4kg。ここがいちばん効きます
- ② 甘い飲み物と間食を削る——肝臓の脂肪は、脂っこい物より糖質の取りすぎでつきやすいのです。ジュース・加糖コーヒーから見直すのが近道です
- ③ 週に合計150分ほど体を動かす——1日20分の早歩きで届きます。運動は体重が減らなくても肝臓の脂肪を減らします
✅ まとめ
- 肝臓は沈黙の臓器。数値だけが唯一の警報です。「痛くないから大丈夫」は通用しません
- AST・ALTは肝細胞のダメージ、γ-GTPはお酒と胆道のメーターです
- 最多の原因は脂肪肝。お酒を飲まない人にも普通に起こります
- 脂肪肝の段階なら戻れます。体重5%減・甘い飲み物を削る・週150分の運動
- 薬・サプリ・ウイルス性肝炎の切り分けも大事。結果票とお薬手帳を持って、一度ご相談を
健診の再検査全般については健康診断で「要再検査」——何科に行く?を、生活習慣の見直しは生活習慣病のページもご覧ください。
あすと長町はんだクリニックでは内科・総合内科で肝機能のご相談を承っています。日曜日も診療しております。